【はじめに】
お客様より過去に問い合わせをいただいた内容等について、弊社の経験・見解をお伝えします。
多くの皆様に弊社の事や、フェルト加工や製品知識等についてご理解いただけますと幸いです。
※あくまで弊社の見解であり、ご参考程度にお願い致します。また新たな知見の発見等により改定される可能性もございます。
【羊毛フェルト】
原料である羊毛を不要物の除去等の事前処理を行った後に、縮絨(しゅくじゅう)と呼ばれる工程を実施したうえで圧縮させてシート状にしたものです。
縮絨とはアルカリ性の溶液に付けて繊維を絡み合わせる工程の事です。
羊毛の繊維はスケール(人間の髪のキューティクル)のようにうろこ状になっており、繊維が絡みやすい構造となっております。
JIS規格によると不織布の条件は縮絨したものは除くと記載されており、フェルトと不織布については一般的に区別して取扱いをしております。
※不織布とは文字通り繊維を織ったり編んだりしないで繊維を結合(接着剤や熱を利用)させてシート状にしたものを呼びます。
・プレスフェルト
羊毛等の繊維を解して薄いラップ状にしたものを重ねた後に縮絨させて、熱で押し固めたシートです。基本的な羊毛フェルトはこちらを指します。
羊毛等とは羊毛の他にレーヨンやポリエステル・ナイロンを組み合わせている製品もございます。
→羊毛は天然繊維の為、事前処理も含めると比較的高価で、採取量も減少傾向となっておりますので、他の材料と調合されている製品も多いです。
工業用フェルト(羊毛混合率等による各種JIS規格相当品)、楽器用フェルト、バフフェルト、手芸用カラーフェルト等の仕入・加工も可能です。
・織フェルト(クロスフェルト)
羊毛繊維の織物を縮絨させてフェルト状にしたものです。上記プレスフェルトとは異なり事前に織っていますので、より丈夫で摩耗に強いです。
その分価格は上記プレスフェルトに比べると割高です。弊社では楽器や工場設備、塗装会社様等に加工品をご提供しております。
弊社で保有しております各種羊毛フェルト(グリーン)の側面比較画像となります。
上側:プレスフェルト 下側:織フェルト
作成工程を認識したうえで、側面を見ていただければその違いが分かりやすいと思います。
ハヤシ産業_カタログ.pdf もご参照ください。
【粘着について】
粘着付のフェルトや不織布のご依頼もいただきます。
その際に原反に直接粘着剤を塗布する方法(直粘着)と両面テープ(積水♯5782)貼の2パターンを弊社ではご提案しております。
弊社の保有原反在庫の状況やご使用の用途を伺いながらご提案致します。
一番大きな違いとしては両面テープには基材が入っております。それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
・直粘着
メリット
両面テープ粘着加工に比べて安価です。
粘着の有効幅も1250程度まで可能となります。
デメリット
少量での対応は出来かねます。※可能ではありますが、結果的に割高となります。
一度貼るのを失敗した際に、再度貼るのが難しく作業性が悪いです。
粘着加工時に離型紙に原反が引っ張られる為、剥がすと縮んでしまいます。特に厚みのあるフェルトの直粘着品では顕著に表れます。
→その為弊社では厚みのあるフェルトに関しては、縮み防止作業を実施しています。
・両面テープ
メリット
基材が入っている為、作業性(貼り直し)も良く、縮みも直粘着に比べてございません。
→貼り付け箇所が狭い・難しい場合や、製品寸法が非常に重視される際は両面テープをお勧めしております。
少量からでもお受け致します。
デメリット
基本的には手加工で貼り付け作業を実施しています。材料が羊毛の場合は別途、強度を上げる為に目止め加工と熱プレスを実施します。
→費用面では直粘着に比べて高くなります。また薄い材料では一部皺が入ってしまう場合もあります。
粘着有効幅は1000未満(両面テープの幅)となります。
離型紙が滑りやすく、細かく裁断加工をする場合に寸法のブレが出る場合がございます。
【裁断・型抜加工】
弊社の加工の基本は原反裁断(長辺側の大切り)→短辺側の小切りor型抜となります。
基本は裁断加工で実施致します。弊社保有の裁断機械の特性上、完全な直線(角)・全く誤差のない寸法を出すのは難しくなります。
型抜加工の場合は、正確な寸法・多種多様な形を作成することができます。
しかしながら別途型の作成費用が必要となり、裁断に比べて取数(作成可能数)も悪くなります。
→材料・形状、ご利用用途等を考慮して、最適な方法をご提案致します。
【ロット・数量について】
こちらは材料や寸法等によって異なりますので、別途お問い合わせ下さい。
なるべくご希望に添えるようなご提案が出来るように善処致します。
【納期】
弊社は迅速・丁寧をモットーに作業をしております。なるべくお早目に準備出来るように取り組んでおります。
しかしながら、下記のような場合はお待たせしてしまう場合もございますので、ご理解の程、何卒宜しくお願い致します。
例:材料到着日の問題、弊社で完結出来ないような加工が発生する場合、月末月初等
お急ぎの場合や納期のリミットがあれば可能な限り調整や仕入先に交渉致します。
【配送】
基本的には製品のご用意が完了次第ご連絡しますので、ご来社いただきお引取をお願いしております。
その際は伝票発行などの事務処理でお待たせする場合がございますので、ご来社いただく凡その日時を予めご連絡いただければ幸いです。
駐車場に関してはアクセス に記載がございますので、ご参照ください。
自社便での配送も実施しております。現時点では弊社より車で、片道40分程度(一般道)までは実施しております。
その場合は大変申し訳ございませんが、日時に関しては弊社スケジュールの都合で伺います。
上記の【納期】と同じく、お急ぎの場合や納期のリミットがあれば可能な限り対応致します。
遠方の場合でも宅急便での配送対応を行っております。発送後は送り状をご連絡致します。
製品のサイズや材料の特性に合わせてしっかり梱包して発送します。※別途送料が発生する場合もございます。
【お取引条件】
事前にお打ち合わせをお願い致します。(お振込み・製品引渡し時の現金払い等)
初回お取引の際には、別紙書類にてお取引条件を確認させていただいております。
また弊社は適格請求書発行(インボイス登録)事業者です。
登録番号:T7080402006556